ダーウィンの悪夢
タンザニアを知るための60章
ダーウィンの箱庭ヴィクトリア湖 / ティス ゴールドシュミット
タンザニアの世界第2位の大きさのヴィクトリア湖。
ナイルパーチという魚を誰かが放流したことから始まる湖周辺の様子を伝えるドキュメンタリー映画。
この魚は、大きな白身魚。肉質がよいためヨーロッパをはじめとする世界各国へ輸出されている。それにより街は潤っているのかと思いきや、格差が拡大している。
だけど、ナイルパーチだけではないという印象。エイズも大きな問題であると思った。
だけど、一番は政治だ。
格差をまねくまえに、政治がしっかりと機能していればよかった。
工場が多数あるのだから、その税金をエイズ対策、貧困対策にあたえたりすればいいんじゃないの。きっとそれだけじゃお金が足りないんだと思う。
そしたら、政府が主導してナイルパーツ工場を作って国営でやってもいいんじゃないかな。
貧困を脱するために、社会主義っていい手段ではないかと思った。
まったく政治が機能しているように描かれていない。政治家へのインタビュー、行政への取材が描かれていない。
そこにある貧困、格差の現実のみを描いてる。
そこに助けがないから、観た後疲れる。
印象的だったのは、ナイルパーチ輸出工場は、すごく衛生的。その一方で、三枚に下ろした魚の骨と頭。トラックに積まれて運ばれてきて、そのまま土の上に。それを拾って木の棚に干すのだけど、泥にまみれ蛆が湧いている。野外でそれを油で揚げて、貧困層に販売している。食料品を大量に輸出しているが、飢饉により餓えている人が大勢いる。
貧困層向けの食料を加工する、油で揚げるだけの工場を行政が建設してあげればいいのに。
そんな簡単な理屈では、どーにもならない事情があるのだろうけど。
自分に何ができるのか。
肉食のナイルパーチによって湖の在来種は食い荒らされている。タンザニアを含めてアフリカの国々は世界各国によって食い荒らされている。
アフリカ大陸は、遠い国で日本がどのように関わっているのかわかりにくい。こんな現実があるとは思いもしなかった。
エイズ蔓延に関して神父の言葉「婚外交渉、同性愛は罪。だからコンドームも罪なのだ。」エイズにより亡くなった父、それにより街へ仕事にでて売春をする母。それにより死亡し孤児となる子供。そんな連鎖を防ぐにはコンドームが一番なのに。
それがわかっている神父の信仰と現実に揺れる表情が、印象に残った。
タグ:ダーウィンの悪夢

